はだ産婦人科クリニック【札幌市/西区・手稲区】無痛分娩にも対応

産科・婦人科・小児科(新生児)・麻酔科

羽田さん通信

無痛分娩ばかりやってますが・・・

2019年10月31日 | 未分類 | 

2019年10月31日 木 晴れsmiley

何と!
今日で10月最終日
手稲山にはまだ雪が降りません

長く手稲住民をしている僕にとってはニュースです。

朝晩の気温はようやく7℃くらいまで下がってきましたが、日中は17-18℃
紅葉は里のイチョウやナナカマドが赤や黄色にいい感じで色づいています。
今年は秋が長いと言えるかな?

さて、明日で当院6歳になります。
父の代からは39歳11か月
昭和54年12月3日が父の「羽田産婦人科医院」の開業日なので

年末の忘年会に毎年発表している「今年のまとめ」に向けて、ぼちぼち準備をしていかなきゃと思って分娩台帳を見てみたら、今月は帝王切開1件で普通分娩2件のみ。他は全て無痛分娩。
今年は通年でこんな感じになりそうです。

無痛分娩を考えてて当院のHPを見てくれた方や、経験者もいると思いますが・・・
2-3日前、無痛分娩についての医療事故裁判で過失致死に問われている関西の病院に出た無罪判決に対して再審査請求が決定したとニュースになってました。
再審請求決まったのは20日ほど前なのに、今更ニュースにするところがマスコミの悪意か無痛分娩反対派の深謀を感じるのは僕だけ?
そんなこともあって、今日は無痛分娩についてあまり書いていないかと思ってザックバランな話を書いてみます。

先月の出産ですが、3回普通分娩で産んでいる妊婦さん。
若くて力ありそうで普通分娩で行けるよな~と思っていたんです。
上の子を見ている家庭の事情などもあって、麻酔はしないけど誘発計画分娩で産みたいとの希望あり、当然OK
誘発当日、子宮口開く処置して、点滴で陣痛促進して・・・
順調に進むかと思ったら、子宮口6㎝くらいで痛みに耐えられないと緊急無痛分娩になりました。

我々スタッフも予想と違った展開に少し驚きましたが、考えてみるに
今までは自然の陣痛発来で麻酔などない環境でのお産。
今回は子宮口もあまり開いていない状態からの子宮頚管の拡張と陣痛促進剤を使っての誘発分娩。
促進剤は時間とともに増量され、陣痛は徐々に強まり、頸管拡張の水風船は威力満点で、子宮口が開く痛みと陣痛の痛みがダブルで強制的にやってきて・・・
多分今までのお産とは違うのだと思います。

その場にいた旦那さんに相談したら快く「麻酔したらいいでしょ」と言ってくれたので、急ぎの場合の腰椎麻酔を施行
するといい陣痛が来ていたので、子宮口6㎝からほんの1時間で元気な赤ちゃんが誕生
結果がすべての産科ですから、ホント良かった

で、つい先日はまた別な患者さんで
10年以上前に上の子を出産した妊婦さん。
今回は2人目で、ちょっと早産の次期に破水してしまったので、陣痛促進剤のみ使用して分娩方向に持って行くことに。
破水はしたけど陣痛の来ない状態の妊婦さんって、点滴だけだとなかなか時間が読めないことも

少し緊張とる薬使ったりして何とか進める方向なんだけど子宮口3.5㎝からなかなか進まない。
で突然痛みを訴えて、診察したら5㎝とのこと。
開きはちょうどよい時期だからと、急ぎ硬膜外麻酔を入れて無痛に使用としていたら・・・
「下の方が圧迫される」「便がしたい!」とややパニック。
麻酔が終わって診察したらなんと全開して、頭が目の前に
30分前は確かに5㎝だったのに~
そして2分後に元気な赤ちゃんが誕生

破水してて、赤ちゃん大きくなくて、細身の妊婦さんだと予想以上に急速に進むこともたまにあります。今回はそのケース
もうちょっとゆとりを持って麻酔を効かせてあげるのが理想なんだけど・・・

無痛分娩希望の患者さんはいろいろな情報を持って当院にも来られますが、人によって、経過も産後の感想も様々です。
多くの無痛分娩を経験してきましたが、なかなか全てのお産の経過を予言することも、患者さんのご期待に100%の満足をもって答えることも、狙っているけど出来ていないと思います。
当院を選んでいただいた患者さんやご家族には、出来るだけ「納得と満足」を頂けるよう努力していきますが、不安や無理解(誤解?)を少しでも減らすことが「納得と満足」への近道だと思うので、何なりとお話しいただければと思います。

全ての妊婦さんに幸せな出産が迎えられますように・・・
 

“無痛分娩ばかりやってますが・・・” への2件のフィードバック

  1. 永井美江 より:

    初めまして、産婦人科ながいよしえと申します
    学会お疲れ様でした
    羽田先生の貴重な意見
    たくさんの産婦人科医が共感できたと思います
    ありがとうございました

    • hadasan より:

      永井先生
      コメントいただきありがとうございます。
      このたびのJSOAP、勉強に行くというよりも、日頃無痛分娩施行者として、直接患者さんと接している身として、JALAなり産科麻酔学会なりが、患者さんたちをミスリードしないでほしいという思いを伝えに行きたかったというのがメインテーマでした。
      お恥ずかしながら、開業後初、7年ぶりの学会参加だったので・・・(^^;
      今後とも、クレーマーと言われないくらいに、中枢に声を届けられるように、患者さんや現場のスタッフの声を聞いていきたいと思います。
      今後ともよろしくお願い致します。

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