はだ産婦人科クリニック【札幌市/西区・手稲区】無痛分娩にも対応

産科・婦人科・小児科(新生児)・麻酔科

羽田さん通信

巷で悪く言われていた(?)無痛分娩について Part2

2017年10月31日 | 未分類 | 

2017年10月31日 火 曇り時々晴れsadsmiley

寒くなってきました!北海道
季節はあっという間に冬の入り口

手稲山の紅葉も気づくと白い雪化粧に代わっています。
いよいよ長い冬がやってくるんだな~

前回の投稿は、なんと1か月も前になってしまいました
最近何かと忙しくしてまして・・・
お産もコンスタントに月20件くらいを維持しております。
(年明けの分娩予約はまだまだ入れますよ~!
 

前回の投稿
マスコミの無痛分娩事故に関する報道について一言意見を添えたのですが、「明日書く」と書いてしまっていましたが~この1か月で報道された朝日新聞・毎日新聞はじめ、京都・大阪・神戸あたりで生じたここ数年前からの無痛分娩にかかわる医療事故の記事。早40日が空き、世の中の風潮も(ちょっと無痛に対して悪く書きすぎてたんじゃない)的な空気を感じるようになりました。
各種新聞曰く、概説すると
①無痛分娩で死者や植物状態になった患者さんがいる。2010年以降14人が死亡した(から「危険」との論旨)
②事故が起こったのは1人の医師がやっていた分娩施設である→一人の分娩施設は危険といった論調(特に朝日新聞はちょっとね…)
③2016年度の日本の無痛分娩を実施率は6.1%。14年度は4.6%、15年度は5.5%で毎年増えている。
④無痛分娩施行施設は6割が規模の小さい有床診療所である
なんていうデータも
①については先月いろいろ書いたので、あまり硬苦しくない感じで、産科医療の現状について書いてみようかと思います(私見を含みます)。

②の「一人医者の分娩施設では危険」という話ですが・・・
そりゃ何人かの医師がいる病院で常にチーム医療を行えれば安全性は高いでしょう。
ですが、産科特有の事情として、休日でも夜中でも急に外科手術が必要になるという特殊性があります。
夜間はある程度大きな10人規模で産科やってる病院だって1人しか夜間の当直医師はいないのは当たり前。
さらに呼び出される医者が当番制だけど、複数いるから安全?というのは昼間に限られた場合の話じゃないかと思います。
それを考えるなら、どんな分娩も日中の医者や助産師・看護師がたくさんいる時間に出産をコントロールしてあげるのが一番安全じゃないでしょうか?
そういう安全優先の考えと昔ながらの夜でもいつでも来い!っていう普通分娩では全く相反する考え方だと思うんですよね。
だから僕のところでは安全第一に、無痛分娩の患者さんは、できるだけ計画的に日中から夕方にかけて出産に持っていくシステムにしています。

3-4人で分娩取り扱いしてるから、安全?ちょっとどうかな?特に普通分娩でってやってる病院では。
患者さんも医療側も危険な目にできるだけ会いたくない、その方法として「計画的に行う無痛分娩」を行うというのが当院の安全を考えた無痛分娩の位置づけです。

それぞれの病院でそれぞれの安全を担保できるやり方はとられていると思いますので、新聞なんかで一方的に安全か危険かなんて軽々しく論じちゃうのは ???って感じです

近頃もマスコミの偏向報道(医療や政治やどうでもいい感じのする芸能の話とか)にはいろいろ言いたいことはありますが、今日はこの辺で・・・

明日も書きます!とはもう言いませんが、今後ともよろしくお願いいたします

 

 
北海道新聞 平成29年10月18日

“巷で悪く言われていた(?)無痛分娩について Part2” への4件のフィードバック

  1. ゆき より:

    ホームページには「当院での無痛分娩の実際は原則、自然に陣痛が始まり子宮口が開き始めたタイミングで背中から特別な針を使って脊柱管の中(硬膜の外)にある硬膜外腔へ直径1~1.5㎜くらいのチューブを入れ、そこから持続的に少量の麻酔薬を流します。」と書かれていますが、現在は計画無痛分娩をされているようですね。
     医療スタッフの多い日中にした方が安全というのはよくわかります。自然な陣痛が始まる前に陣痛促進剤を用いて出産することにはやはり何かデメリットはないのでしょうか?海外では無痛分娩が多いと聞きますが、自然に陣痛が始まってからの話だと思っていましたので、質問させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

    • hadasan より:

      ゆきさん コメントありがとうございます。
      ご指摘の、当院での無痛分娩の方法について、開院4年を迎えまして、2013年の開院当初と今のやり方は少し変わってきています。HPの記述を近日中に訂正しなくてはいけませんね。
      開院1年目は自然陣痛に合わせて麻酔を入れる例が多かったのですが、分娩数が増えてきて、一番は時間外のマンパワーの少なさもあって計画分娩を主体に行っています。
      また、近年の立会分娩希望の家族が一般化して、計画的に分娩が決まっていた方がいいなどの声があったり、自然で陣痛発来を待つより、1-2週間早い分娩に持っていくということは赤ちゃんの体重も200-500gほど小さめで(3500gが3000gとか)分娩する方が、娩出力が少し弱まる硬膜外無痛分娩には有利に作用すると考え、38週を目途に、37週を超えて、できれば2500g超という数字を達成したらよいころ合いと判断しています。
      デメリットは?とのご質問ですが、自然陣痛発来よりも子宮頚管の熟化がない状態からのスタートですので、子宮頚管の熟化や子宮口開大させる操作に時間がかかることがあげられるかもしれません。
      ですが、上にも述べたように週数が行くことで赤ちゃんの大きさの面や母体体重の増加による産道条件の悪化なども考えられるので、ひとくくりにデメリットとしてしまうのは間違いかとも思います。
      医療介入をして、できるだけ苦痛を抑えて経腟分娩をしたいというのが無痛分娩希望の患者さんの多数意見と感じますので、その成功率をより高く、安全に実行できるには?と考えたときに導かれたのが当院では現在こういった選択をしていこうと行っています。
      また数年後には少しずつ改良されて変わっているかもしれませんので・・・ よろしくお願いします。

  2. つばまゆ より:

    羽田先生こんにちは!
    8月にVBACさせていただきましたTです。その節はお世話になりました!
    現在1人目の産後よりは痩せずに済んでおります(о´∀`о)
    私は無痛のお陰で経膣分娩できた立場ですし、産後の貧血を考えると無痛分娩で体力温存できて本当に良かったです!
    コウノドリのドラマでも無痛分娩について取扱ってましたね。
    普通分娩でも無痛分娩でも帝王切開でも出産は出産。産み方でお母さんが非難される事が無い世の中になって欲しいです。

    • hadasan より:

      つばまゆさん お元気ですか?
      色々体験したつばまゆさんには分かりきった話でしょうが、どんな出産もお母さんになるにはどこかで大変な思いをして、赤ちゃんを出産してると思います。
      産み方とか、育て方(母乳vsミルク)とかは言ってしまえば何でもよいことで、妊婦さんからしたら「大きなお世話」
      回りの声とかはあまり気にせず、子育て頑張ってほしいですね!

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