はだ産婦人科クリニック【札幌市/西区・手稲区】無痛分娩にも対応

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羽田さん通信

アナフィラキシー

2018年12月12日 | 未分類 | 

2018年12月12日 水 雪 laugh

今日は真冬日
最高気温が氷点下から上がりません。

この3日ほど真冬日が続く札幌ですが、例年はこれくらい寒いんだと思います。
12月まで気温が下がらず、雪も積もらない毎日だったので、急に来た寒さに体がついていけていないようで、例年より寒く感じます。

本日は半日診療の水曜日
病院は12月に入ってからの平穏が今日も続いてました。
(昨夜は遅くに出産あったんですけどね)

院内では今週末に控えた忘年会に向けて、幹事さんは出欠確認や企画立案、小道具の作成と忙しそう
若手ダンサーズは暇を見つけては踊りのお稽古をしているようです。
このゆとりの時間も大事だったってことで・・・

そういえば!という感じで
先月11月の末の出来事で1つ書いておきたいお産がありました
誘発分娩中にアナフィラキシーを起こして一時どうなってしまうのかと心配したお産のはなしです。

2人上の子がいる2回経産婦 Sさん。
普段の妊婦健診では何事もなく、2人も生んでるし、体格的にも性格的にも安産だろうな~と予想していた妊婦さんでした。

朝9時に診察して子宮口はまだ1.5㎝ほどしか開いていない状態。
メトロイリーゼという水風船を子宮内に挿入し、子宮頚管が広げられる仕組みを作り、1時間のモニター下での経過観察へ
いつもなら、赤ちゃんの元気さをモニターで確認したら、10時ころから陣痛促進剤を開始するのですが、
LDR室にご案内の途中、階段を上っていたら急にむせるような「咳」があったと、看護師Aさんから後の証言がありました。

9:40 外来診療に入っていましたが、助産師Yさんから
「アナフィラキシーみたいでおかしいからすぐ来て下さい!」のコール
直ちに駆け付けると、すでにYさんの判断で、アレルギー源の可能性のあるメトロイリーゼは抜去にかかっており、Vitalモニターは装着済みで、酸素投与を開始するところでした。

患者さんの顔は蜂に刺された人みたいに、顔の体積が倍くらいに腫れたようになって、全体が赤く膨張していました。
意識はあるけど「息苦しいです」っていうのがやっと
モニター上は酸素飽和度が10L酸素をマスクで流しているのに91%前後
聴診器で呼吸音は気道狭窄を示すwheezingに、時折湿性の痰が多めなんだと思わせる所見。
幸い血圧は110/70位を保っていて、胎児心音もその時は140台で異常なしでした。

パッと見て「アナフィラキシーだ!」
考えられる原因としてはラテックス!?とは思うものの、妊婦健診を含めて長いこと診察でゴム製品を使っても何もなかった患者さん。
ほかの可能性を完全に否定はできないものの、まずは対症療法が基本

酸素の次はボスミン(アドレナリン)0.3㎎ 筋注
救急カートのステロイド(ソル・コーテフ)を100㎎ 静注
3分経過しても呼吸状態・自覚症状変わりなく、酸素飽和度はかえって89から90に低下。胎児心音は徐脈が出始めてきました。
そこで、ボスミン0.1㎎ 静注を追加したところ・・・
たちまち酸素飽和度は98%まで一気に上昇。代わりに血圧は160/100まで上昇するも徐々に低下しました
自覚症状も「急に息が楽になってきました。」というくらいに改善。
胎児心音も代とやや高めに回復し、危機を脱した感が急速に認められました。

アレルギーの場合、遅発型の反応もあると言われているので、状態の悪化を防ぐために、吸入器を久しぶりに引っ張り出してきて、ボスミンと去痰剤ビソルボンなどの混合液を吸入し、気管支拡張剤のテオフィリンを点滴を定期で開始しました。
その後、症状増悪なく、アレルゲンの可能性のあるゴムはやめようと、ダイラパンを7本挿入し、促進剤抜きで経過観察。

夜の9時ころに自然陣痛が来て、無事22時台に分娩に元気な赤ちゃんが生まれました。
いろいろあったけど無事に生まれてくれてホッとしました。

その後お母さんは、遅発型反応もなく、普通の褥婦さんでした。
が、顔の晴れが普通の状態に戻るまでは3日かかりました

「結果がすべて」の産婦人科・・・無事でよかったよかった!という経験になりました。
お産は何があるかわからない・・・を再認識した結果になりました。

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