はだ産婦人科クリニック【札幌市/西区・手稲区】無痛分娩にも対応

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羽田さん通信

コロナよりやばい?子宮頸癌のヒトパピローマウイルス ワクチン勧奨再開の動き

2020年11月13日 | 未分類 | 

2020年11月13日 金 雨wink

寒い冬が始まった!
と思ったら今日はぬるめの気温
雨とともにここ3日で積もった雪が解けて、道路は秋に逆戻り。
これをくり返して「根雪」になるのが北海道の冬の入り口なんです
週末は急いで冬タイヤに履き替えなきゃ

ここ2日、夜のお仕事が続いています。
一昨日は夜9時過ぎに翌日予定の妊婦さんが陣痛開始!と思ったら変に過強陣痛で、胎児仮死のサインがでて・・・
臨床的には胎盤早期剥離の所見で緊急帝王切開!って指示したんだけど、無痛分娩の意味で設置した硬膜外麻酔と腰椎麻酔が功を奏して、子宮口4㎝開大から過強陣痛が相まって用手開大でみるみる全開。
何とか経腟分娩にもっていけて、赤ちゃんを救出することができました。
人の少ない夜の産科的事件って、いつ遭遇しても寿命が縮む思いです。

そして昨夜は、今日誘発無痛分娩の予定だった妊婦さんが深夜11時過ぎに陣発入院。
朝まで生まれなかったけど・・・

計画分娩の多い当院では、夜が続くこと少ないけど、これが普通分娩ばかりやってる分娩施設の「普通」なんですよね。
新たに医師になる人で産婦人科医が少ないって、医療界では問題にする声もあるけど、若い先生たちにとっては、「産婦人科は大変だ」って思われるような仕事ですわ。
日中の外来忙しいし・・・

さて、昨日のニュースですが、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の積極的勧奨を再開しましょうという国会議員をはじめとした政治家の集まりがあったと報道されてました。

HPVワクチンについては「ワクチンによる副反応」だとして、思春期特有の心因反応が原因と思われる身体症状について、マスコミが大々的に報道したことで、2013年に日本で定期接種にしたばかりのワクチンが悪者にされ、接種率が一気に低下していた約7年の歴史があります。
ですがこの症状も、ワクチンを打たなくなった後でも、その症状が思春期の少女たちに同様にして生じているという調査結果(2015年の通称名古屋スタディ)がでて、ワクチンによる副反応だという主張は否定されています。
それでもマスコミでは名古屋スタディの結果は報じられることはごく限定的で、ワクチン接種率の増加につながる報道は今までされてきませんでした。

このような日本での動きは世界保健機関WHOでもたびたび批判されてきました。
世界で同じワクチン使っているのに、実績あるワクチンが日本だけ接種が広がらない。
政策に問題があるってことで・・・

それが、昨日HPVワクチンの積極的勧奨についての報道があったので、いよいよ動くのかな?という思いでした。

確かに、子宮頸癌って20代から40代の患者さんが死亡に至る病気で、罹患率のピークは30代だと言われています。
悲しいことに年間3000人の患者さんが亡くなっています。
原因はヒトパピローマウイルスの感染によるものが大部分と。

同じウイルス性疾患で注目の病気といえば、世の中誰でもコロナコロナですが、今までの感染状況で、実際日本でコロナによる死者は2月末から11月12日までで1869人と発表されていました。
コロナの死亡は年齢別に見ると70歳以上が約84%で、80代以上に限っては57%
対して子宮頚癌は30代~40代。
若いお母さんやこれから結婚・出産という人たちの命を奪い(若ければ20代でも)、未来ある若者やその後も長く日本の未来を担う人材を亡くしてしまっている病気なのです。
前職の市立病院勤務時代に悲しい結果になってしまった患者さんを何度か受け持たせてもらって、そのやるせない気持ちを実感し、家族の悲しみを目の当たりにしました。

コロナでも癌でも、高齢も若年も、「失った人の命に優劣や軽重はない」とキレイごとでは言いますが、本音では・・・明らかに違うと思います。
(それは僕だけ?無理に同意してほしいわけではありません

コロナという、マスコミ的にはセンセーションな病気に対して日本中、いや世界中で怖がって、「ワクチンはまだか!?」とか言ってる現状ですが、子宮頚癌はワクチンがあって、防げるのにいまだに副反応が怖いと間違った情報を訂正されずに、「うちの子には打たせない」・・・ってなっているのが日本の社会なのです。

もちろんワクチン接種は、個人の判断でよいと思いますが、親の判断が子供に影響するワクチン問題。
「周りが○○だから」といった、日本人特有の「心理」が正しいと信じて動いていると、未来ある子供たちに悲しい未来が来なければいいなと、おせっかいに心配する産婦人科医でありました。

情報で人は命を落とすこともあります。
コロナでも子宮頚癌でも、間違った情報で心と体を壊されないようにしたいものです。

“コロナよりやばい?子宮頸癌のヒトパピローマウイルス ワクチン勧奨再開の動き” への6件のフィードバック

  1. くわばら より:

    はじめまして。
    お世話になっております。
    コメント失礼します。
    コロナ騒動の煽りがひどいですよね‥
    先生はなぜこの風邪の一種のコロナが煽られ続けると思いますか。。❓
    PCR陽性その全てがイコール、コロナ、
    別の病気で亡くなってもコロナ、
    なんでもコロナのレッテルを貼って
    煽りに煽っています。
    その目的は、何だと思われますか。。❓

    小林よしのり「コロナ論」
    内海聡「ワクチン不要論」
    船瀬俊介ジャーナリスト「コロナの罠」
    など、先生も読んでみて欲しいです。。

    マスクの同調圧力もおかしいです。
    マスクをし続けることは、雑菌だらけ不潔です。
    マスクは感染対策ではありません。

    全てが全国民のコロナワクチン(核酸ワクチン)摂取に向かっています。

    子ども達の未来を守るため、先生も行動してもらえませんか(>_<)
    お願い致します。

    • hadasan より:

      くわばらさん コメントありがとうございます。
      コロナ騒動の源って何でしょうね
      もちろん人々の危機的状況をお金にする企業
      恐怖をあおることで視線を集めたいテレビをはじめとしたマスコミ
      普段は注目の少ない医者や学者が、ここぞとばかりに注目され酔いしれている?
      ワクチンも関係あるかもしれませんが・・・
      一つの要因では説明付けられないと僕は思います。
      ただただ、患者さんをはじめ、人々が、過剰な恐怖から人間関係の大切さを見失ったり、大人たちが自分本位になって未来を壊すような道を進んでほしくないなぁと願うばかりです。
      ご推薦の本、時間できたら読んでみようと思いますね。

  2. すがいみき より:

    初めましてこんにちは。
    20歳の娘に遅ればせながらガーダシルの接種を検討中です。
    コロナワクチンの集団接種と時期が重なってしまいそうですが、
    どう判断したら良いでしょうか?
    ご指導よろしくお願いします。

    • hadasan より:

      すがいみきさん はじめまして。
      ガーダシルの接種が遅くなってしまったとのことで、接種が定期の補助を受けられない状態であれば、期間限定のコロナワクチンを優先してはいかがでしょうか?
      ですが、ガーダシルが期間限定で公費補助が受けられる状態でコロナと重なるのであれば困りますね。コロナワクチンの接種についてもう少し情報が出てからの判断でいいと思います。

  3. こた より:

    初めましてこんにちは。
    昨年、自費で男性のガーダシル接種が可能になったと知ったのですが、貴院では男性の接種は可能ですか?

    • hadasan より:

      こたさん 初めまして。
      自費でガーダシル接種とのことですが、今までのところ男性の接種をお受けしたことはありません。
      ですが、出来ないということもないので、ご相談いただけましたら、当院のワクチン担当の副院長と相談させていただきます。
      お返事が大変遅くなってしまい申し訳ありません。

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