少子化日本に提案 3人以上を産んだら・・・
2020年12月30日 雪
さあ!
いよいよ年末です。
コロナに翻弄された2020年もあと1日。
今日の札幌はしっかり雪が降って一面雪景色
帳尻を合わせたように例年通りの景色でお正月の準備が整った感じです
クリニックでは年末は12月28日まで定期の外来診療でしたが、今日も満期の妊婦さんで胎児心音モニターをする人や、産後貧血の患者さんの注射とか特別にお呼びしての外来診療でした。
半日ですが頼りになる医療秘書やナースを休んでもらってのお仕事。
当番ナースと2人で、一人何役もこなさなければならず、なかなか大変でした。
さ産婦人科に限らず、待ったなしの医療現場・・・長期休みのつらいところです
病棟では28日までが定期の計画無痛分娩の予定がありました。
ですが前の週の外来で、1月に出産予定を組んでいた妊婦さんが、血圧上昇や浮腫増強が出て妊娠高血圧症候群の診断がつき、増悪するのも心配で6日も待てないということで、急遽昨日と今日に年末最後の無痛分娩を計画。
すると、昨日の分娩は、心配していた通り(?)緊急帝王切開になってしまい・・・
年末休みのはずですが息つく暇もない、忙しい日々を送っていました。
何はともあれ、みんな元気に赤ちゃんを産んでくれたので結果よかった
最近コロナ以外で気になっている話題について
少子化対策が急務!なんて言って結構時間がたつけど、
先週「コロナ禍で来年1年間の出生数は80万人を割る試算を発表」というニュースが出ていました。
ありうるよな~
ヒトという生物って、不安を感じていると出生数が減るという話を昔聞いたことがあります。
ヒトに似たサルでさえ「猿山のサルはボスザルが入れ替わる年の赤ちゃんの誕生が少なくなる」って話を旭山動物園の園長さんが話してくれたことを思い出しました。
動物園的には、種を残すってことは、社会に対する不安を少なくすることが必要条件なのだそうです。
だから動物園は繁殖できたときに動物にとっていい(安らげる)環境を提供できたって思うんだとか。
なるほどとうなずきましとうなずきました。
今の日本はどうですか?(サルと一緒ではないですけど)
右も左もコロナ。コロナ。
(個人的には)過剰だと思える報道で不安を募らせた繁殖期のヒトがたくさん子供を産もうはずはないと思っていました。
ただ、コロナ不安を除いての話
総理大臣が菅さんに代わって、総理の発言の中に少子化対策として「不妊治療を保健適応にする」ってのがありました。
お~!不妊治療に対してしっかり希望者に保証をしてあげるんだ・・・ってのが一般の解釈なんでしょうかね?
高額な医療費が自費で負担しなければならない不妊治療にはいろいろな問題があるのは事実だと思います。
国や自治体が保証してあげることは反対ではないけど、現時点でも少子化対策の名目で患者さんには多くはないかもしれないけど補助金投入があって・・・
産婦人科を志した若い医師もリスクの高い分娩施設よりも、夜の仕事が少なく、大出血や命がけの医療や訴訟リスクの低いとされる不妊治療に流れている現状。
札幌市の状況も、不妊治療の施設は不妊治療の施設は年に1-2か所増え、分娩施設は1-2か所ずつ消えていくのが実情です。
リスクの高い分娩よりも、補助金などで経済的に安定が見込まれる不妊症を専門にする・・・当然理解できます
このアンバランスが産科医不足の一因になっているとも思うんですよね。
不妊治療後の患者さんの分娩を受け持たせてもらっている分娩施設の医師として、保健適応自体には反対ではありません。
ただ、少子化対策なら、今それなりに補助が出て、医者側のアンバランスも出ている不妊治療の分野に更に手当てすることが本当に少子化対策になるのかな?と思ってしまいます。
産む前の手当てよりも産んだ後の不安を解消するような政策を提供した方が少子化対策としての成果が得られると思います。
お茶会では時々はな話していることなのですが、
「3人目以降の出産には1000万円進呈します」くらいなことをやらなければたくさん子供を産もうなんて気にならないんじゃないですかね?
1000万円って、金額だけ見たらすごくインパクトあると思うけど、20年間成人まで子育てしようと仮定して、20年で割ると年間50万円。月にすると4万ちょいで食費くらいでしょうか。
「税金使って何で子供の養育をするんだ?」みたいな声も聞こえてきそうですが、子供は社会全体で育てるべきだと思うんですよね。
経済の側面から考えたら、今高齢者にかかる医療費を考えたら、高齢者は消費税もそうだけど、労働者層の健康保険金や税金をつぎ込んで皆保険を維持している。
子供は将来大きくなれば、納税者として高齢化社会を支える力になってくれる。
だから社会全体で子育ての負担を、分担するのは正しいのではないでしょうか?
子供がいる人もいない人も、年金制度・皆保険制度を維持するには未来を支える若者が必要なのです。
だからみんなで育てるのは当たり前では?
(お年寄りの医療だってみんなで支えているのに文句言わずに保険料払っているじゃないですか?)
財源は?って話になるけど、一時的には大変な額のお金がかかりそうです何とか今回のコロナの様に捻出して、国民みんなで少子化が加速する現状を止めなければヤバイってことに目を向けるべきでしょう。
この危機を救うには一時期の財源の苦労よりも、この国の未来がかかっているのです。
新たに生まれた子供たちが、将来の日本の社会を支える税金や資金を生み出し、1人から支払われる額は1000万なんてもんじゃないと思います。
(我々の支払っている支払っている税金や年金・保険金を見てもそれは一目瞭然。)
言葉悪く聞こえるかもしれませんが、必ず「元が取れる」政策だと思うのですが・・・
勝手なことを書いて今日も長くなりました。
いつになったら芸能人バリの短いブログをかけるかな?
お付き合いいただきありがとうございました。
よいお年を
初めまして。
2年前の記事を読ませてもらい少し話を聞きたくてコメント書かせてもらいます。
反復性弛緩出血、と言う記事です。
私も不妊治療、1人目高齢出産、癒着胎盤傾向、産後出血計2300、更に1ヶ月早産で帝王切開でした。
少し境遇が似てると思い興味深く読ませてもらいました。
産後そろそろ一年経つので高齢の為、2人目を検討中です。
ただ、2人目はかなりのリスクを伴うと言われてまして
悩む日々です。
記事の方は年齢はどれくらいで何の不妊治療をされていたのでしょうか?
参考に教えていただけたらと思い、、、
よろしくお願いします。
山田さん はじめまして。ブログを読んでいただきありがとうございます。
反復性弛緩出血の患者さんについて、個人情報的な内容を細かくお伝えすることは控えさせていただきますが、妊娠出産は100人いれば100人全く異なるものだと思います。一般的な話では体外受精、胚移植後の妊娠は癒着胎盤や、弛緩出血がやや多いといったリスクは知られていると思います。ですが、みんなに起こるわけでもなければ、そのリスクがあるから妊娠は禁止というわけでもないでしょう。逆に命にかかわるほどの合併症が予想されるのに妊娠を進めることもないと思います。
ですので、通院中の産婦人科の医師のリスク評価や、方針についてよくお話を聞いて、次の妊娠をお考えになるといいと思います。(返信が遅くなってしまいすみませんでした。)
羽田先生、はじめまして。
いつもブログ楽しく拝見しております。
少し、吐き出させてほしいことがありコメントさせて頂きました。
すっかり産婦人科難民に陥ってしまいました。
私は今恵庭市に暮らしており、近場に良い産婦人科がなく、不正出血があり、かつ将来無痛分娩がしたいという希望があった為、白石区の産婦人科に通いはじめました。
そこで子宮内膜ポリープを見つけてもらい、いざ来月手術か??というところで、今は無痛分娩をやっていないということが発覚してしまい、途方に暮れています。
本当ははだ産婦人科さんにかかりたかったのですが、恵庭市から手稲は遠い為夫の反対もあり、なるべく近場で探したら、こんなことになってしまいました。
本当は、ポリープの切除手術を受けたところでそのまま、いずれ授かった時には無痛分娩を……と思っていたのですが……。
今から羽田先生のところにかかり直して、ポリープの切除手術もしてもらい、将来無痛分娩をしたいというのはやはり無理な話でしょうか?
やはり恵庭市からでは遠すぎて、かかるのはやめた方が良いですか?
佐藤(あ)さん コメントありがとうございます。
ご相談の件ですが、子宮内膜ポリープが妊娠成立を邪魔していることも考えられ、現在かかっている病院で手術されることが、検査の重複や時間のロスにもならず望ましいかと思います。
分娩施設として当院をご指名いただくことについては、ありがたい話ですが、妊娠成立してから妊婦健診に入るころからでも十分間に合います。距離の問題も、患者さんそれぞれで遠いと思うか近いと思われるかが違いますので何とも言えませんが、当院通院中の方で恵庭から通われている患者さんは珍しくなく、遠い方でもないです。その時が来ましたら一度受診して頂ければと思います。今後の治療がうまくいきますようお祈りいたします。