病院とスマホ撮影問題
2024年9月29日 日 晴れ🌞
秋晴れ続く札幌。変わりやすい秋の天気と言いますが、今日の休日は行楽日和でした。日中の気温は24度ほどで過ごしやすい温かさ、空気は澄んで、雲はまばら。空が高く感じました。日本列島もようやく涼しくなってきたのだとかニュースで話しています。
最近院内で議論のあった話。患者さんのスマートフォンによる撮影問題について
日本の国中でスマートフォンを持つ時代になって、写真やビデオの撮影が町中で行われるのが当たり前になっているけど、それに反して個人情報保護法なるものがあって、個人のプライバシー保護の考えは、一昔前からより繊細な扱いになっているのも事実。名前や年齢、住所個人情報が書かれた書をごみ箱に捨てただけでも罪なんじゃないかと神経質になっている昨今。さらにさらに写真から顔認証や、モノや植物の認証までできてしまう時代。10年前だと考えられない変化で、これも人工知能によるところが大きいと実感します。
病院なんてのは患者さんの病気の話や、治療の話、そして正確な医療につなげるために個人情報だって、巷で過ごすよりよっぽどに細かな正確なものを教えてもらわなければいけなかったりして、悪意をもって個人情報を知ろうとする人が居たらより細かなヤバい個人情報に触れられると思うんですよね(日々気を付けています)
そんな中、時々、患者さんから「赤ちゃんのエコーの動画をとってもいいですか?」と聞かれます。患者さんとしては診察の状態を記録しておきたいとか、まだ見ぬ胎児の動いているのを家族に見せたいといった希望があるのは心から理解しているのですが・・・診察室の横には、産婦人科特有の内診室があり、見えないように配慮しているとはいっても、音声は録音されてしまうので、当院では録画は禁止ですとお伝えしています。録画している患者さんやご家族は一生懸命だから、周りの事とか気にならないかもしれないけど、もし、偶然知らない人のビデオに音声だけでも入ってしまったら、いい気持ちしないですよね?そのあたりは(相手だったらという)優しい気持ちをもって、ご理解いただきたいと願います。
当たり前だと思うけど、録音も同様の理由でお断りします。(どうしても録音でないといけない理由がある方は必ずお申し出ください)
先月までは写真撮影については、「音は入らないからなぁ」と思い、申し出のある場合は許可していたこともありましたが、外来の隣の部屋でシャッター音がしたりとか、「気になる」という患者さんの意見もありまして、写真についてもご遠慮いただく方針にしました。窓や何かに反射して、偶然でも診察の様子が映ったりなどあってはいけない事件ですから。ご了解ください。
たまに患者さんから、〇〇病院では録画させてもらえたのに・・・なんて声も漏れ聞こえるのですが、そういう病院の個人情報への配慮は大丈夫なのか?と医療者として心配してしまいます。
映像を残したいという希望を聞いてあげたいのはホントやまやまで、当院では胎児の経腹エコーについては、少しお金はかかってしまうのですが「エンジェルメモリーカード」というパソコンやスマホで再生できるIT機器を導入しておりますので、ご希望があればお申し出いただきたいと思います。短時間ではありますが、エコーにうつる画面映像だけが記録され、他の患者さんの個人情報にも配慮されたシステムだと思うので、ご使用の患者さんにはできるだけ良い映像を残せるよう頑張ります!
まあ、いろいろ便利になるのは良いことだと思うけど、気配りができなくなるようではダメですよね。便利もいいけど優しい気持ちで、人を思いやりながら人間関係を築いていきたいものです。
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