HELLP(ヘルプ)症候群 HELP!と言いたくなりますがHELLPです
2017年3月28日 晴れのち雨
今日は、朝は春らしい晴天でスタートしましたが、午後には霧雨と風が出てきて別の顔。
幹線道路はすっかり雪も解けましたが、除雪の行き届いていない庭や路地裏ではまだ雪山やワダチが威張ってます
全部の雪が解けるにはまだまだ時間がかかりそうです。
最近、外来が小児科・産婦人科ともに忙しめです。
予約制の形はとっておりますが、お待たせしてしまう状況もちらほらあって、申し訳ありません。
当院では予約患者さん優先の対応を取らせていただいているので、新患・予約外の患者さんは尚更お待たせしてしまうことがあるかもしれません。
余裕をもって来院される方には、お電話にてご予約いただいていただくことをお勧めします。
よろしくお願いします。
以上業務連絡でした
ところで、先月出産された患者さんで、HELLP症候群の患者さんが出ました。
1人上の子がいて、余裕で出産するかな?と思っていた患者さん。
どんな病気かというと妊娠高血圧症候群などの背景がある人に多いといわれていますが、周産期に、強い上腹部痛などの症状で発症し、検査値として①肝酵素の逸脱(肝障害)②溶血 ③血小板減少 を認める症候群です。
今回も経腟無痛分娩後3時間くらいに、元気にご飯を食べていたら急に「胃が痛い」と訴えられて、血圧測定してみたら上が150台の高血圧でした。
「もしや!?」と思って直ちに採血検査をしてみたところ、AST/ALT 140↑/108↑(正常40未満/40未満) CK/LDH 316↑/462↑(正常45~163/115~245) 血小板20.2万→(正常13~37万)とHELLPには満たされない状態でした。
しかし、上腹部痛はあるし、まずはHELLP症候群であろうと疑って、原因であるといわれる腹腔動脈の枝の固有肝動脈領域の攣縮を抑えるべく、ちょっと強めに降圧薬を使用し、Vital signを観察。少し落ち着いてもらう鎮静剤投与で夜を越しました。
すると血圧の低下とともに上腹部痛は軽減。
翌朝の採血検査ではAST/ALT 208↑/157↑ CK/LDH 316↑/709↑↑ 血小板9.5万↓↓ と完全にHELLP症候群といっていい値でした。
この病気、周産期に起こるので、妊娠中の場合は、血小板が下がりすぎて出血が止まらなくなったり、赤ちゃんが死んでしまうような大事件も起こりうるものです。
今回は、幸いなことに産後に発症したので、赤ちゃんにまで大きな影響を及ぼすことはありませんでしたが、褥婦さんでも血小板が下がりすぎて出血が止まらないとか怖い思いをする場合も・・・
その後、この患者さんは日に日にデータや全身状態は改善し、予定通りに退院。
今日ちょうど1カ月健診で元気そうなお顔を見れたので、よかったよかった
ほんとにお産は何があるかわかりません・・・
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