こどもの目線 大人の目線(子供の立ち合い分娩について思うこと)
2024年2月29日 木 晴れ時々雪
2月最終日。春間近のはずですが、北国北海道は暖かい2月かと思いきや、ドカ雪に見舞われたりで、例年よりも多い雪のまま明日3月を迎えます。
今日の大きなニュースはメジャーリーガー大谷翔平選手の結婚報道。話題性からしても、給料の面でも、世界で最高評価のスポーツ選手である大谷選手が、電撃的に結婚を発表したことは驚きました。札幌にもゆかりのある人だから余計かもしれませんが、ほほえましく思えるニュースでした。
ここ最近、どうでもいい(私見です)芸能人や有名人の、惚れたはれただとか、不倫だとか、性暴力だとか何かと個人のプライバシー無視で、人々の生活には関係ないゴシップを、大切な公共の電波で垂れ流しているテレビやマスコミ。なりふり構わず金儲けにつなげようとしている(ように見える)報道に、個人的には興味は全くわかず、嫌悪感に近い感情で情報を耳に入れてしまう昨今ですが、今日は健全な言行が好印象なスポーツ選手の結婚報道に、勝手に幸せになってほしいなぁなんて感じてます。
話は変わりますが、最近患者さんとの夜のお茶会での雑談で、立ち合い分娩についての話題が時々出ます。
当院ではコロナ下も、旦那さんや血縁者の面会はできるだけ続けてきました。入院直前まで一緒にいた旦那さんを面会禁止にする意味なんて、感染防御の点では全く意味がないと判断し、心から応援している旦那さんと、旦那さんを頼りにしている妊婦さんの仲を引きはがすことが、妊娠・出産・産後という人生の大事件を乗り越えるうえで正しいと思わなかったからです。(少し時間制限はしましたけど)
立ち合い分娩についても、旦那さんの立ち合いはずっと許可してきましたが、公的医療機関ではない小さな有床診療所の判断として、感染が当院から拡大したわけでもなければ、亡くなった人を出してしまったわけでもなく、(偶然でしょと言われるかもしれませんが)この方針は間違っていなかったと感じています。最近では札幌でも立ち合いは解禁の話を耳にしますが、「子供の立ち合い」についてはみんな様々なようで
よく「子供に出産の出血を見せたらトラウマになる」とか、「出産の惨劇を見せると子供がかわいそう」という意見もあるようですが、僕は違った見方で立ち会う上の子を見ています。
子供って、年齢にもよりますが、小学生以下なら、「残酷」(と大人が思う)多量出血や傷口の映像には全くと言っていいほど無関心な子が多いと思います。分娩時の出血を見て倒れるのが一芽番多いのは旦那さん!子供が立ち合い分娩の時にパニックを起こすように泣きだしたら、逃走しようとするのは、いつもは明るく笑顔のお母さんが、必死な形相で踏ん張っていたり、痛い痛いとパニック状態だったりで、「いつもと違うママ」に対しての反応のほうがよほどパニックになるように見えます。
自然界の営みの一部である出産に、子供も備えがあるのかな?
「血を見てパニック」なんていうのは、出血=危険・死を連想する「情報」を持っている、ある程度年いった子供や大人の思考の産物だと思います。だから小さな子供は残酷な出血シーンのあるアニメや映像にも無関心で注視できる。「こんな映像見たら子供の教育に悪い」という意見はあくまでも大人の常識なんだろうなぁと思います。
では、子供の立ち合いについてメリットは、ある程度現状を理解できる子供なら、今まで一人っ子や末っ子でわがまま放題甘えられた環境から、お姉ちゃん・お兄ちゃんになった瞬間が与える影響は何よりも大きいだろうし、この時しか味わえないだろうと思います。家族関係構築にも良い影響はあると思います。逆にデメリットは、出血が子供の心理に対して与える影響なんてとても微量なもので、母のパニックや父の不安が子供に伝わると子供もパニックに陥りやすい。その時は妊婦さんが分娩に集中できないなんて言うのがあげられるかな。
立ち会い分娩については本当にご夫婦の気持ち次第だし、してもしなくてもよいと思います。が人生の中での特殊な経験だし、無痛分娩は普通分娩に比べると落ち着いて出産に臨んでよい夫婦関係や、子供がいたら上の子に少し気を配れるくらいで、親子関係にも良い影響もあるかなと感じています。条件は、気持ちをしっかり持って、落ち着いて出産できる妊婦さんと、上の子の管理を含めて協力できる旦那さんがいれば、「家族で立ち合い分娩」はうまくいくと思います。
希望する妊婦さんには望みをできるだけ叶えたいと思ってますので、出所不明な情報に振り回されず、なんでも相談してくれたら僕なりのお答えをしたいと思っています。
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