はだ産婦人科クリニック【札幌市/西区・手稲区】無痛分娩にも対応

若年出産

2019年5月31日　金　晴れ時々曇り

令和の時代に突入し早1か月が終わろうとしています。
この1週間、札幌・北海道は5月としては記録的な暑さに見舞われ驚きでした

まだ5月で手稲山には残雪も見えているというのに・・・
札幌市では、先週の週末から月曜にかけて、土曜日31℃　日曜日32℃　月曜日34℃だったそうです。
とにかく体感気温も暑かった

日曜日の26日は北海道内の帯広市や佐呂間町などでは39℃で、5月の日本で史上最も暑い気温を記録したのだとか・・・
ここ数日は暑さは少し和らいで、過ごしやすい北海道の初夏に戻っていますが、この夏はどうなるのやら少々気になります。
なるようにしかならないけど～

さて、久しぶりの更新になりまして・・・
当院は今月は忙しくしておりました。

中でも記録に残りそうなのは、開院以来5年半で最も若いお母さんが誕生
お母さんになった患者さんは16歳のMさん。
生理が来ないなぁと思っていたらしいけど、なかなか病院に受診できず、初めて病院にかかったのが32週に差しかかっていました。
周りの人たちの勧めで、お産を当院でしたいと言って初診してくれたのがその数日後。
初期からの妊娠経過フォローをできているわけでもなく、感染症や胎児の異常があっても分娩後の結果について予想できる情報がないという点で、未受診妊婦のリスクは高いと言われていますが、Mさんと旦那さんは赤ちゃんをちゃんと産んで育てるという決意もあるし、当院でも出来るだけ力になろうと決めました。

急いで出産予定日を確定。
妊娠初期に行うはずであった母体感染症など必要な検査をして、児の発育を毎週のように評価しました。
幸い母児感染として影響する感染症の存在は認めず、赤ちゃんも無事に成長していました。

いざ出産の日
未明からの陣痛発来で7時すぎに来院。
陣痛間隔は7-8分で余裕ありそうなものの、8:00の時点で子宮口は5㎝開大。
まだ弱い印象で人工破膜から経過観察で一気に進行。
10時9分に超安産で産まれてくれました
赤ちゃんは2710gで元気。
出産自体はさすがの若い力で会陰や腟壁に裂傷は全くなく、正真正銘の安産でした
おめでとうございます！

Mさんのお産をともにして、人ってホントはこのくらいの年齢で産むのが生物としては正しいのかもしれない？と思うほど安産でした。
若年出産は社会的には経済的な不安定さや現代の20才くらいまでが精神的に未熟な人が多いとかの理由で否定的に考えられることが多いと思います。
確かに幼児虐待問題では若年家庭の子が重篤な被害が多いなどの「リスク」が高いという報告があります。

ただ、どんな年齢の夫婦にも虐待や経済的な問題、教育の問題はあるわけで・・・
日本の社会では「リスクが高い」という話だけでよく、いろいろな可能性を排除してしまう傾向にあると思います。
（何でも　やれやれ！イケイケ！って言うのがいいというわけではないですよ）
でもそのリスクって、よくよく考えて決断したら意外とうまくいくことが多かったり、ちゃんとしたリスク評価もできない人たちの話をうのみにして満足いく結果を得られないとか
そういう傾向が強いと思うんですよね・・・

若年妊娠の話だけでなく、無痛分娩が危険だといった「間違ったリスク」報道のときにもそう思いましたわ

他者からの無責任な情報に左右されるよりも、
人生の分岐点では、しっかり考えて、判断して、行動する決意が大事なんじゃないかと思います

Mさんの一家にやってきた新しい命を、みなさんで元気に守り育ててほしいと心から応援しています