2024年のまとめ その1 分娩444件 無痛分娩94.1% 帝王切開4.1% 普通1.8%
2025年1月25日 土 晴れ
早いもので年が明けて3週間。1月になって天気の良い日が続き、記録的な少雪の冬を迎えている北海道の令和7年です。幹線道路にはほとんど雪がなく、例年ならば路肩にできた雪山で歩いている人の頭くらいしか見えないのが普通なのに、この状態は異常だと思います。2週間後に控えた「さっぽろ雪祭り」は開催できるのでしょうか?
さて、年始の恒例ネタになっております、「令和6年(2024年)のはだ産婦人科クリニックのまとめ」をお伝えしたいと思います。
去年2024年を振り返ると、止まることのない少子化の中で、無痛分娩が急速に認知され、実施施設も札幌では分娩ぢ節の半数で行い始めるという状況になりました。11年前の開業当初より無痛分娩の良さをお伝えしてきた(つもり)の僕としては、妊娠出産への恐怖心が、無痛分娩によって少しでも和らいで、妊産婦さんやご家族に良い影響があればいいなぁと、この無痛分娩の広まりは良いことだと思います。
ただ少子化のスピードはとどまることを知らず、札幌においても8年前は14000の年間出産数を維持してきたものがあっという間に9000まで減少。年間7~9%の減少率出でここ数年推移しています。それに比例するように札幌市(広くは北海道ない)でも分娩取り扱い施設は減少し、札幌市内では11年目のに37あった分娩施設が、今では23まで減少している事実も、単なる「少子化」では片づけれられない「社会問題」化しているように感じます。次世代が生まれないことには未来は開けませんから。
そんな背景があって、11年間の当院の分娩の実績をまとめてみました。
2024年を含めた11年間の出産・流産手術・手術の推移では
分娩ですが、2022年の448件。2023年の493件より約10%減って444件でした。前年比-49件で、当院にもついに少子化の波が到達しました。手術部門では帝王切開が18件で微増。婦人科手術はほぼなく、産科的手術が数件ありました。年々手術件数が減っている流れが見受けられます。流産手術も経口避妊薬の普及などの要因も影響して少数で推移しています。
分娩のみに限ると経腟無痛分娩が418件で94.1%でした。無痛分娩なしで経腟分娩された方は8件で痛みに耐え頑張りました。帝王切開は18件で2023年に比べ3件増えました。帝王切開率は4.1%で前年の3.0%には及びませんが、日本の平均が25%前後といわれる中、低い割合で推移しています。直近3年間を比較して円グラフにすると上図の様になりました。
出産した妊産婦さんの年齢を表にしてみました。全体の平均では32歳。所産に限ると31歳でした。10年前より少し上昇しています。
当院では無痛分娩の適応外として、高度な肥満や精神疾患合併や、重症な全身合併症を考えます。帝王切開も、癒着が予想される反復帝王切開症例などは高次医療機関にお願いしていますが、高齢妊娠や軽い合併症は小児予後に問題がない範囲でお受けしている現状です。
例年「高無痛分娩率・低帝王切開率」が定着してきた感がありますが、ひとえに当院のスタッフの成熟や理解の深まり、麻酔を使うことで帝王切開を回避できるケースが増えたことが最大の要因かと思います。帝王切開が悪いわけでは全くありませんが、麻酔してでも経腟分娩を希望される妊婦さんにはできるだけ希望をかなえられるよう、方策を練って経腟分娩を目指す方針で行こうと思います。
また、この1年を振り返ると、無痛分娩率が広がり、少子化も相まって、2023年のように分娩予約をお断りするケースが減ったのも事実。多すぎてよい医療を提供できないことは大変喜ばしくない事態ですが、少子化がそういったアンバランスも減らしているのかとも感じ、微妙な感覚です(;^ω^)
さて、今回も長くなりましたなので、近日「まとめ その2」を書く予定です。よろしくお願いします。
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