当院にも少子化の波!? 出産費用保険化の話と
2024年10月30日 | 未分類 |
2024年10月30日 水 晴れ
秋の風が冷たくなって、朝晩は冬を感じるここ数日 北海道の初冬11月はもう目前です。 前回のブログでもちょっと書いたけど、 病院の方は今年最大の閑散期。 分娩予定者が1週間に4-5人の日がここ数週間続いています。 このペースは当院だとちょうどコロナ前位の忙しさかな。 原因はいろいろ考えられるけど・・・ 1)たまたま 2)少子化の波 3)無痛分娩施設の急増 4)嫌われた?( ;∀;) 今の少ない分娩予定の患者さん達って11月予定の方々だけど、 もともと11月だけ22-23件で少ないね~なんて言ってた時期。 12月はまた普通に戻って40台の予定数なので、「たまたま」 な気もするけど、どれも理由なのか・ ・・ ただ、深刻なのは北海道全体から札幌に至るまで(日本全国か な)の少子化今年上半期6月までの札幌市の分娩実績が公開さ れてまして、前年比92.8% 去年(令和5年)が通年で10456人(前年比92.9%) 一昨年(令和4年)が年に11258人(前年比93.0%) 2017(平成29)年が年に13971人で2000年から2016年まで 維持していた14000人をはじめて割ってから毎年の出生数減 少が、コロナでさらに加速した感じです。 国は2020年以降問題視しているようだけど、「異次元の少子 化対策」とか言ってもまだ?全く効果ないのが現状です。 異次元の少子化対策の一環として政府は、令和8年をめどに 「出産費用の保険化」という政策を打ち出しています。 分娩を保険で見るというもの。 国民健康保険を使うことで、妊産婦さんの負担が減るとの考え を国民に与える政策で経済的負担を減らすように見え、政策と してしっかりやってる印象は受けるかもしれません。 しかし、実際は、分娩施設に対しては、高額な分娩費用の地域 と、北海道も含めた比較的低額な分娩費用の地域を均一化する 保険制度に乗せることで、極めて混乱が予想され我々産婦人科 の視点からは、慎重な議論を要する案件として反対意見が多い の状態です。 北海道では分娩費用が低額で、出産一時金内で賄える施設がま だ多く、患者さんに余剰分を返金しているところがあるのです。 そういう地方では、保険化したら都市部からの里帰りとかは減 るだろう、この政策提案もきっかけは不妊治療の保険化で政府 が国民の支持を得られたという実績を受けて「2匹目のどじょ う」的に政権浮揚を狙って始まった議論だとも業界では伝え聞 いています。 「妊娠出産は病気じゃない」と数十年来言われ続けて、各分娩 施設が「病気じゃない出産」に対して「より快適で、安全に」 を考えて進化させてきた日本の周産期医療の常識をひっくり返 して、政治の具に使うのはいかがなものかと僕としては首都圏 のような分娩費用に合わせてくれとは思っていないし、地域差 を考えたら、恩恵を受ける患者さんと受けない患者さん。分娩 施設にも良し悪し別れる政策だと思います。 (首都圏は大変。地域もホントの僻地で里帰りに期待してきた ところは出産無くなり余計大変になるんじゃないか?と) 保険化はすべてが反対というわけではないのですが、部分的な 保険化とか、地域の隔たりも何らかの形で考慮に入れるとか、 慎重に進めてほしいと個人的には考えます。 あ、分娩数の減ってることの話題でしたが、保険化話で長くな ってしまいました。 患者さんによる病院の選択ってのも分娩施設の、ご指名いただ けるか否かを左右するポイントだと思います。古いから・・・ とか、医師やスタッフが合わない・・・。家から遠いし・・・ とか病院や医師によって患者さんとの相性の良し悪しはあると 思います。 その点札幌でも無痛分娩施設が増えて、選べるくらいに増えた というのは良いことととらえて、僕のところを指名してくれた 患者さんには「安全と安心」をモットーに、できることをしっ かりと対応させていただき、嫌われないように頑張りたいと 思います(*'ω'*)
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