月間帝王切開率20％
2019年8月31日 土 曇り時々雨 
8月最終日。
土曜の外来は午前のみで、いつものように混みこみでした。
土曜日外来希望でご予約入れてくれる患者さん、お待たせしてスミマセン。
いつも土曜日は12時まで外来予約を受け付けていますが、実際診療が終わるのは12時半を目標にやってます。
予約優先で、なるべく予約を入れてくれている患者さんを先に診て、新刊や予約外の人は後になってしまうので、予約の人の後に・・・
それで12時半。
ですが最近は毎週土曜日は13時まで診察が伸びてしまいます。
土曜日は僕一人が出番の日だし、何かいい手はないかな～
さて、8月も終わるということで、今月の総括
今月は上旬がとにかく暑い日が続いて、中旬はお盆休みで1週間の内4日も休みでした。
おかげさまで診療日の外来は混雑
病棟はというと、
8月17日の土曜日からの1週間で緊急帝王切開2件と予定帝王切開が2件。
更に26日にも緊急帝王切開があって、後半は大忙しでした
17日は140㎝台の小柄なお母さん。
切迫早産で入院も経験されていたので、37週になってすぐに無痛分娩で経腟分娩を試みたんだけど、子宮口は全開したのに、赤ちゃんの向き（回旋）も悪くて出てこれず緊急帝王切開に・・・
お母さんになった患者さんも分娩すごく頑張ったけど最後の場面で赤ちゃんが下りてこれず、「無理はできない」との判断で帝王切開で分娩いなりました。
幸い赤ちゃんは元気で、どんな方法でも立派なお産だからと思えるお産でした。
そして19日（月）は前回2年前に当院で重症の妊娠高血圧から赤ちゃん小さくて、分娩中に胎児仮死な状態で緊急帝王切開をした妊婦さん。
今回は予定帝王切開を選んで、前もって予定日を決めての入院から手術になりました。
前回の緊急とは全く違い落ち着いて臨まれていた様子だったけど、手術前の説明で「遺書書こうと思ったけど書いてきませんでした。大丈夫ですよね？」って言われてドキッとしました
前もって手術とか計画すると色々考えちゃうよなぁと変に同感って感じで・・・
もちろん手術は無事終了し、お元気そうで、遺書は必要なく終われました
22日（木）は前回2年前に里帰りで当院に来てくれていたんだけど、前置胎盤で市立札幌病院に妊娠管理をお願いして、帝王切開で出産された妊婦さん。
この度も里帰り分娩で当院をご指名していただき、分娩方法は前回帝王切開ということで、分娩時子宮破裂のリスクなどを考えて帝王切開を選択されました。
予定を組んで入院・手術になりまして、入院中はとても明るく元気で、お茶会のお世話も軽快に手伝っていただき感謝です。
順調に母児ともに退院されて、良かったよかった
続くときってこんなものか・・・
23日は（金）には、全然ノーマークの経産婦さん。
出産は10年ぶりくらいだったけど、細くて若さもあって、当院には珍しく普通分娩希望の方だったんだけど、子宮の出口が硬いということで分娩誘発をしていたところ、赤ちゃんの「へその緒」が急に赤ちゃんの頭より先に下りてきてしまって、赤ちゃんがモニターでとても苦しいサインを出し始めて、緊急帝王切開へ。
子宮口を広げる風船でスペースができて、臍帯が下がるという事件がたまにあるけど、大事には至らず経腟分娩できることもあるんだけど、今回は羊水の量が少な目だったりしたのも影響してか、へその緒が見る見るうちに下がってきて・・・
幸いなことに破水していなかったので臍帯脱出にはならず、赤ちゃんは元気に誕生してくれました。
間に合った～って感じでした。
そして26日（月）に痛みが怖い！と当院を指名していただいた初産の妊婦さん。
前日入院して子宮口を開く水風船の処置をして、麻酔を入れて万全の態勢で進めていたのですが、子宮口5㎝くらいで血性羊水流出し、何とか経腟でいけるかと思った8-9㎝で胎児心音低下が著明で、緊急帝王切開に。
術所見で赤ちゃんは真上を向いて回旋異常（後方後頭位）による分娩停止と部分胎盤早期剥離の所見でした。
無事に生まれて良かった～と、5たび。
ここ2、3年当院の帝王切開率が8～10%でした。
今年も今現在5件含めて9.6%で、「無痛分娩は帝王切開率は下げられる」という説を実証していると感じていますが・・・
8月だけを見ると、分娩が25件だったので、この1週間に4件も含めて、今月だけだと20%の帝王切開率。
日本の帝王切開率の平均が20%くらいだと言われている昨今。
これが続けば日本の平均なんだと思うと、多いなぁと感じました
もちろん帝王切開が少なきゃいいってものではないんですよ。
お母さんと赤ちゃんにとって一番の方法を考えて、元気に出産してもらうのが何よりなのが「産科稼業」だと思います
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