はだ産婦人科クリニック【札幌市/西区・手稲区】無痛分娩にも対応

産科・婦人科・小児科(新生児)・麻酔科

羽田さん通信

多忙10月 骨盤位とTOLACが重なった日

2023年10月29日 | 未分類 | 

2023年10月30日 月 晴れ

北海道の秋10月ももう少しでおしまい。例年なら里にも初雪の便りが来る頃ですが、まだ暖かさを感じる日もあり今年の秋は長いのかな?今年はずっと暑かった・・・

そんな10月ですが、クリニックは大忙し

明日までの分娩予定が49件で当院最多の見込み(予定外の陣発や破水があったら大台に乗るかも!?)たくさんの赤ちゃんが誕生してくれて、仕事としてはありがたいにつきますが、長い目で見ると、この子たちが日本の未来を支える大人になってくことを想像すると、この子たちの誕生・成長を見守り・助けることって大切なことだと実感します。

そんな10月でも、ある日の土曜日、ちょっとバタバタ忙しかった一日がありまして回顧

水曜日と土曜日は当院は半日仕事の日で、午前中の外来が終了したら助産師・看護師も半分は帰っちゃうので、経産婦さんに限って計画無痛分娩を行っています。その日は、36週に急遽逆子が直ってTOLAC(帝王切開後経腟分娩)を希望した経産婦さんと、当院で3人目の経産婦さんでした。3人目の方はけっこう高齢出産だったので、妊娠初期のころは今までと同じく麻酔なしで普通分娩を考えていたのですが、「大台超えたらいろいろあるから無痛分娩のほうが安全だと思う」と無痛をお勧めして無痛分娩を決めた患者さんでした。馬力あるあら普通分娩もできることはわかってたけど・・・(;^ω^)

土曜の朝から二人とも陣痛促進。TOLACは子宮口を前の日から開大処置をして、促進剤は少量からゆっくりゆっくり増量。時間をかけて進めていきます。方やベテランさんは3人目ということもあり、朝から入院してもらって子宮に水風船を入れて子宮口を内側から開き、促進剤を増やしていく当院としては型通りのやり方で、子宮口が4㎝以上開いたことを確認したら硬膜外麻酔を留置する予定でした・・・

初めから赤ちゃんの頭が高い位置にいて、3回目の経産婦さんのわりには骨盤狭い妊婦さんみたいだな~なんて思っていたんですけど、子宮口4㎝開大して風船が子宮から抜けて膣の中に来ていることを確認して・・・と思っていたら、その時同時に破水しましたとの助産師さんからの報告。風船抜き取った時の診察でなんと、赤ちゃん逆子に!!(;・∀・)

1年に1-2人は誘発中に逆子事件があるんですけど、普通は破水前だからその場で麻酔して、胎児外回転術で胎児を頭位に戻せるけど、麻酔後回してもなかなか戻らない。で、このままだと一般的には帝王切開だけど、3回目のお産だからリスク理解の上で骨盤位分娩もトライするのであれば頑張ってみますか?と。緊急家族会議を経て「帝王切開はしたくない」とのお返事に、「危険と判断したら緊急で切ります」の了承を得て、久しぶりの骨盤位分娩方針へ。

隣の部屋ではTOLACやってるし、慎重度Maxなお産2件同時進行という事態に、先代の父も呼び出し緊急帝王切開に備えて分娩進行を見守りました。そして・・・15時過ぎに無事におしりから元気な赤ちゃんが誕生し、17時過ぎTOLACも無事に経腟分娩。お二人とも家族立会いの下、緊急事態の逆子や、前回は帝王切開で立ち合いもできなかったTOLAC(うまくいったからVBAC)の旦那さんも喜んでくれて、ほんとよかった(^^♪

先の見えない急変するお産ですが、うまくいってホッとするのと、うれしいのが半々(家族の顔見たらうれしいのが勝ちかな?)今回のベテランさんは無痛分娩にしておいて正解だったケースになりました。(普通でやってたら見守るなんてできず、いろいろな医療介入にも痛みともなったりしてバタバタで帝王切開になってた可能性高いと思います)

神経は少しすり減った気もするけど、2つのご家族のお役に立ててよかった~ と思える土曜午後でした(^_-)-☆

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