はだ産婦人科クリニック【札幌市/西区・手稲区】無痛分娩にも対応

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羽田さん通信

皆保険制度や医療費の話

2018年07月07日 | 未分類 | 

2018年7月7日 (土) 曇りsad

今日は本州の七夕。北海道は1か月後ですが・・・

今年の七夕、西日本では台風から引き続く梅雨前線の影響でとんでもない大雨だそうで、瀬戸内地方を中心に大洪水の様相を呈しています。
2日間で60㎝とか70㎝って降水量で、テレビのニュースでは濁流にのみこまれた街並みや、濁流に運ばれた巨木や車・家屋まで映し出されています。
死者や行方知れずの人が100人を超しそうだという報道
同じ日本国内で起こっている災害と思えないような光景・・・
早く雨が止み、災害が広がらないようにと願うことしかできませんが、被災した方々には心からお見舞い申したいと思います。


さて、今日は土曜日の半日外来。
出産はナシでしたが、開業医にとって月始めの大事な仕事「レセプト」点検で昨夜から忙しくしてました。

レセプト=国民健康保険や社会保険への診療報酬請求書のことです。
皆保険を前提にしている日本では医療費の約7割を健康保険から支払われ、残りの3割を病院の窓口で患者さんのお財布から支払ってもらう制度になっています。(加入してる保険や年齢なんかでも違いはありますが)
我ら産婦人科のメインな仕事の出産や、美容整形・ワクチン接種などはその保険制度には当てはまらず、「自費診療」と言われる範疇にありますが、保険制度に似た、お産だったら出産手当金の支給や、小児のワクチンなら定期接種と言われるものは地方自治体から補助金が支給されるものもあります。

健康保険は、今の日本ではほとんどの人が加入して、保険料が給与から天引きされていたりして、財源の一部になっています。
(給与明細を見たら皆さん結構な額が毎月ひかれていると思います。)
その分、患者さんは医療費負担が普通の社保・国保で3割、後期高齢者は1割、生活保護受給者では0割という少ない医療費を病院で支払って医療を受けられるという、とてもいい制度だと思うんです。

僕が6年前まで2年間生活していた南米のパラグアイでは保険制度なんてなくて、いざ病院にかかるとなると、家計を圧迫して大変そうでした。
お金持ちのための任意保険はあるけど、病院に治療や検査内容を指図してきたりしてすごく診療しにくかった思い出があります。

この日本の健康保険制度。
産婦人科なら出産や中絶手術のような自費以外のモノほとんどがそうです。
たとえば子宮筋腫や卵巣腫瘍の経過観察や治療。陰部の痛みやかゆみの検査・治療。高齢女性の子宮脱の治療などなどた~くさんあります。
一般内科なら収入の内、もっと高い割合で保険診療になります。
産婦人科は出産が自費なので

この保険制度を使った医療(保険診療)を行うとき、病院・診療所は毎月の初めに提出(請求)するレセプトで国保や社保から医療費の自己負担分以外を支給してもらう制度になっています。
ただ、医療施設が保険請求すれば全部無条件に保険分の医療費が支給されるのではなく、適応のない検査や治療を行ったら、査定され保険請求を認めない(通称「切られる」)ことになり、医療費は払われないこともあるという仕組みです。
毎月不正・過剰な医療が行われていないか「監督」されているわけです。

だからこの月始めのレセプト点検、うちのような個人病院主にとってはとても重要なんです!
で、昨夜はほぼ寝ずにレセプト点検しました

皆保険制度に直接関係して思うのは、この日本の皆保険制度がなかったら、国民も医療者も大変だよなぁという制度の「良い点」と
世界一ともいわれる高齢化社会で、今後この制度維持できるのか?っていう「問題点」や産婦人科医として若い人にもっと・・・って思うことがしばしばあります。

高齢化の進行に伴い「老人が増える=病院へ行く人が増え医療費は増加する」「若者の割合が減る=保険料を払う人が減る」
老人相手がメインの科にとっては老人医療を守ることが経営的にも必要なのでしょうが、産婦人科の医者としては、未来ある若い女性や子供たちにもっと手厚い保障をしてもらえないものか?と考えてしまいます。

時には延命的にさえ見える高齢者医療とかに重きを置くのではなくて、経済的な援助を少しでもしてあげれば、自ら働いて稼いで子供を育てていける若い世代へ手を差し伸べることが、国の将来を明るいものにしてくれると思うのは僕だけではないはず・・・。
このまま行けば間違いなく、今の若い世代に将来の負担を押し付けることになるのは目に見えていて、若いころの薄給を助けるべく、今こそお金が必要な子育て世代に・・・って思うんです。
何とかならないかな~??

ちょっと医療保険の話から逸れてきちゃいました
長くなってしまいましたので、今日はこの辺で

あくまでも私見でしたが、乱文にお付き合いいただきありがとうございました

“皆保険制度や医療費の話” への4件のフィードバック

  1. 村田 より:

    先生、こんにちは。
    覚えてないかもしれませんが…去年そちらで出産させてもらった登別の村田です。

    お久しぶりです。
    今妊娠2ヶ月なんですよ。
    またそちらで産みたいのでまずいつ頃行けばいいでしょうか?

    • hadasan より:

      村田さん お元気ですか?
      二人目早いですね(*^^)v
      いいと思います!!
      8カ月くらいには来院していただけると助かります。
      ただ、一度分娩予約的なお電話でもいただけますか?
      この先無事な妊娠生活が送れるようお祈りしています。
      何かあったら連絡ください。

  2. 田辺 より:

    市立病院でとてもお世話になった、田辺です。
    今、放課後等デイサービスで療育と私も請求の仕事をしています。
    国保に請求する月始めは、本当に忙しいですよね。

    本当に、未来がある子供たちに優しい社会になって欲しいとつくづく思います。

    近いうちに検診お願いしたいと思っていまーす。

    • hadasan より:

      田辺さん ご連絡ありがとうございます。
      医療の裏側というか実態というか
      ドラマの様なかっこいい世界ばかりじゃないんですよね~
      開業医になって一番勉強したところかもしれません・・・
      検診お待ちしています (^^)/

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